ドットVRロゴ

VRの最新情報をお届けするサイト『ドットVR』

VRサミット、大手HMD3社が集い互いの功績を讃える

ニュース

2016/05/26 07:00 更新

グリーと一般社団法人VRコンソーシアムは先日、日本のVR市場を盛り上げることを目的にしたカンファレンス「Japan VR Summit」を開催しました。「VRがもたらす大変革」と題する最初のセッションには、VRHMDの代表格ともいえる「Oculus Rift」「HTC Vive」「Playstation VR(PSVR)」3社の責任者が登壇しました。

「Japan VR Summit」のセッション「VRがもたらす大変革」

「Japan VR Summit」のセッション「VRがもたらす大変革」

セッションでは、まず各社の製品が紹介されました。

Oculus Rift

VRの盛り上がりの先駆けとなったVRHMD。価格は約9万4600円。2012年8月に創業し、クラウドファンディングサイト「Kick Starter」で資金募集を開始。その翌年となる2013年3月に開発者向けのDK1を出荷し、2016年3月に製品版となるOculus Riftの出荷を開始しました。2014年7月にはFacebookの傘下に入っています。

 

同社では現在、Oculus Rift向けのコンテンツの充実に力を注いでおり、3月末時点で50タイトルを揃えています。また、VR空間に手を表示し“触れる”感覚を再現する独自開発のコントローラー「Oculus Touch」も発表していますが、2016年下半期に発売が延期されました。将来的にはHMDをメガネサイズまで小型化し、現実とVRの世界を意識せずに行き来できるようにしたいとしています。

「Oculus Rift」

「Oculus Rift」

HTC Vive

スマートフォンメーカーとして知られるHTCと、PCゲーム配信プラットフォーム「Stream」を提供するValveが共同開発したVRHMD。価格は約11万2000円。2016年1月のイベント「CES」で発表され、4月6日に出荷が始まりました。両手をVR空間に表示させられるコントローラーを同梱するほか、部屋全体をVR空間にしてその中を自由に歩ける「ルームスケールVR」などが特徴です。

「HTC Vive」

「HTC Vive」

PSVR

ソニーが手がけているVRHMD。10月に発売予定で価格は約4万8600円。Oculus RiftやHTC ViveがPCベースであるのに対し、PSVRはPlayStation4(プレイステーション4)に接続するだけで誰でも簡単にVR体験ができることが特徴です。MMD研究所の調査では、最も認知度が高くなっており、消費者からの期待も高い事が予想されます。

Playstation VR

http://japan.cnet.com/

VR各社がお互いの功績を讃え合う

同サミットのイベントで登壇したのは、Oculus Partnerships Lead, Japanの池田輝和氏、 HTC Corporation VP, Virtual Reality New TechnologyのRaymond Pao氏、 ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏。モデレーターは、ダンボール製VRヘッドセットを手がけるハコスコ代表取締役の藤井直敬氏が務めました。

藤井氏からはいくつかのテーマが投げかけられましたが、特に興味深かったのはお互いの製品のスゴイと思うところを教えてくださいという質問。激しい競争の渦中にある各社がどのように競合他社を認識しているのでしょうか。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏

ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏

まず、ソニーの吉田氏がOculus Riftについてコメント。DK1の出荷によって、世界中のVRコンテンツの開発を一気に進めた功績を称えました。また、もしOculus Riftによって世間のVRに対する理解が進んでいなければ、「開発メンバーがPSVRを推進していく力を社内で持っていたか。今のような順調なものにはならなかったと思う」(吉田氏)と振り返りました。

続いて、HTCのPao氏はPSVRについて、PS4というゲーム機で楽しむデバイスであることから、「コンテンツ開発者はどのようなパフォーマンスや体験を求められているのかすでに分かっている」と語り、ゲーム開発スタジオをはじめ、これまでプレイステーションによって築かれてきた強力なエコシステムがあると評価しました。

HTC Corporation VP, Virtual Reality New TechnologyのRaymond Pao氏

HTC Corporation VP, Virtual Reality New TechnologyのRaymond Pao氏

Oculusの池田氏は、HTC Viveの強みとして、VR空間を自由に動けるルームスケールVRを挙げました。また、「自虐ネタみたいになるが」と前置きしつつ、大手メーカーならではの注文から配送までの速さを高く評価しました。Oculus Riftは配送が遅れていることが指摘されており、予約分配送が終わらないうちに小売り販売を始めたことから、予約者から批判されていました。

池田氏は配送に時間がかかっていることを改めて謝罪した上で、「我々は2012年に創業したばかりの若い会社。それに対して、ハードウェアをいままでずっと作ってこられた先輩方の『当たり前のことを当たり前にちゃんとやれる』ところは素晴らしいと感じている。どうやっていけばいいのか教えていただきたい」と語りました。

Oculus Partnerships Lead, Japanの池田輝和氏

Oculus Partnerships Lead, Japanの池田輝和氏

そして、各社ともに、1社だけでは昨今のVRブームを作ることはできなかったと述べていた点は、急激に注目を集め始めているVR分野の最先端に身を置く者が感じている正直な感想ではないでしょうか。

日本市場をどう見ているか

トークセッション後の囲み取材では、3社が日本市場をどう見ているのかも語られました。まずOculusの池田氏は、日本は他国と比べると裕福な消費者も多いことから、VR市場が拡大していくことは確実であるとの見方を明らかにしました。それと同時に、日本ならではのさまざなアプリやサービスが登場することに期待を寄せました。

3社が日本市場への思いを語った

3社が日本市場への思いを語った

続いてソニーの吉田氏は、日本は欧米などと比べて、VRの主戦場であるPCゲーム市場が小さいことから、現状は海外よりもVRの普及が遅れていると指摘しました。ただし、日本では漫画やアニメ、ゲームの歴史も古く、コンテンツ開発者の層も厚いことから、「今後はVRコンテンツによって世界で注目されるクリエイターも出てくるのではないか、日本のコンテンツ業界にとって非常に大きなチャンスがまたくる」と語りました。

最後にHTCのPao氏は、日本や米国、中国の企業にクリエイター人材の視点でヒアリングしたところ、日本は高い評価を受けていると説明。「日本は大変、クリエイティブ能力が高いので期待できる」と話しました。また、店頭でのプロモーションやデザインなど、BtoBの領域でも日本でVRが普及していくのではないかと予想しました。

普段は、厳しい競争に晒されている各社が一同に会し、ディスカッションを重ねた今回のサミットは当事者のみならず、VRに興味を持つ消費者やメディアにとっても非常に有意義な情報摂取の機会となったのではないでしょうか。

それでは、また!

オススメの記事

VR Lab

VRコンテンツのマネタイズ支援サービス『VR Lab』が設立

日本トイザらス

日本トイザらス、子ども向けVRコンテンツの提供開始

360度動画(VR)

【厳選!360度VR動画】本日のイッポン!Vo.19

Magic Leap

Magic Leap、リリース間近か?CEOが示唆

ポケモンGO

ポケモンGo、VR対応か。ライセンスが示唆

Motivator

関ヶ原演義など人気スマホゲーム運営会社、VR対応の新作を配信

Galaxy Gear 360

サムスン、4K相当の360度カメラを4万円台後半で販売開始

ジェリー・ヤン

Yahoo!共同創設者ジェリー・ヤン氏、VR分野へ積極投資

人気記事ランキング

1

なぜVRを体験すると酔うのか?VR酔いの正体とその対策

2

【永久完全保存版】360度VR動画まとめ(前編)

3

VRで斜視が治癒!医療におけるVRデバイスの可能性

4

アンケート結果:最もVRを利用したいのは「スカイダイビング」

5

【永久完全保存版】360度VR動画まとめ(後編)