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VRを活用した「うつ」を治療する実験が進行中

ニュース

2016/02/23 07:00 更新

ヴァーチャルリアリティ(VR)は、ゲームを取り上げた報道が多いですが、ゲーム以外の分野でも積極的に導入の可能性が探られています。医療分野でも、アルツハイマー病のリスク予測(日本語版記事)から医療データの双方向利用まで、革新的な利用方法が試されつつあります。さらに、没入的なVR体験を利用した手法によって、うつ病患者が自分を責めることが少なくなり、症状が緩和される可能性があることが分かりました。

VRでうつ病治療の実験

https://wired.jp

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)とバルセロナ大学の研究者チームが行ったこの研究では、うつ病に対する効果を調べるために、あらかじめ健康なボランティアに対して対照試験が実施されたあとで、23歳から61歳までのうつ病患者15人に対して試験が行われました。

患者にはVRヘッドセットが渡され、装着すると、ヴァーチャルな身体(分身)の視点で物事を見るようになります。続いて患者たちは、ヴァーチャルな子どもに対して思いやりを表現するトレーニングを受けます。思いやりを表現されると、子どもは即座に反応して泣くのをやめます。数分後、患者の視点が子どもの視点に代わり、自分が数分前に発した、慰めるための思いやりのある言葉をかけられます。この10分ほどのシナリオが、1週間の間隔をおいて3回繰り返されました。

15人の患者のうち9人がうつ病の症状が緩和されたと報告し、そのうちの4人は、うつ病の深刻度が「実際の診察でも大幅に」減少したといいます。研究を率いたクリス・ブルーインは以下のように述べています。

不安や憂うつ感で苦しんでいる人は、自分の生活において物事が上手くいかなくなると過剰に自分を責めることがあります。
この実験では子どもを慰めたあとで、慰めを表現する自分自身の言葉を自分に向けられたものとして聞くことによって、患者は間接的に自分に思いやりを示すことになります。
実験の1カ月後には数人の患者が、今回の経験によって、それまでは自分を責めてばかりだった現実の状況に対する反応が変わったと話しました。

また、研究チームのひとりであるメル・スレーターは次のように述べている。

この手法をさらに発展させて、より規模の大きい比較臨床試験を実施し、臨床効果を確実に判断できることを期待しています。

筆者個人的には非常に素晴らしく意義のある取り組みではないかと思いました。VRが切り開く私たちの未来は、世の中をさらに楽しくするだけではなく、世の中をもっと生きやすくする。そんな事を強く感じさせられる実験です。

それでは、また!

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